大好きな君



「・・・・・・さくら?


え?どうした?


さくら?」


それでも
暖かい優しい湊の声が私を包み込んでくれて
やっと自分が


泣いてることに気がつけた



「・・・っ湊っ、湊っ」 

もうそこに暖かいものが欲しい一心で湊に抱きつく


良かった、

今注目されてんのが私じゃなくって
あの私を弾いた女の子で


悔しいけど



「さくら?大丈夫?」

あっ、また飛んでた
いやいや湊さんごめん

「ん、大丈夫、全然平気
寧ろなんか悔しくなったわ」

「え?なにそれ」

緊張してた頬を緩めてふわっと笑ってくれた湊な
やっぱり可愛くって嬉しかった


「だって私だって泣いたのに注目されてんの果波ちゃんだし
注目株は私だって良いじゃんねー」

「さくらってばアホか、馬鹿か、全部か選んでみな?」

「湊さん湊さん、後ろに悪魔がっっ」

「出してますもの、おほほ」

「ごめんなさい、すみませんでした、私が全面的に悪いです」

「わかればよろしい」


悪魔がでてる湊は怖いから近づくなかれ
これ、テストにだすよっ


「まあ、さ、さくらは感情に敏感だからねー、しょうがないか」

「そこまでじゃないけど」

「だって、前も小さい子に好かれてたし」

「‥‥‥モテモテだからね」

「おじいさんに好かれてたし」

「もっ・・・モテモテだから」

「苦しい言い訳ありがとー」

「同級生にモテモテなみなとさんや、私のハートが」

「まあまあ、


っほら授業だしさ」


逃げられたっっ

「じゃあ授業がんばれ、さくら」

含みのないがんばれ、に

「うん」

なんていっちゃう私はやっぱり馬鹿かーっ

なんて



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