大好きな君


「―――っ」

また涙が込み上げそうになって
むねが苦しくて苦しくて息ができなくなるかってくらい

そうじゃないの

「っ?え?実波さん?」

「っごめん、調子悪いや


すみません、中野先生、保健室行って良いですか?」

「体調が悪いのか?保健係いるか?」

「今いませーん」

「なんだ、休みか

しょうがない、隣の、・・・七瀬?だな支えてやれ
実波は保健室まで行けるだろうから」


「えーずるっ」
「なにそれ」


こそこそと聞こえるそれが嫌で、大丈夫ですって言おうとしたとたんに

「分かりました」

って七瀬碧のあの声がしたからビックリして見上げると
苦しそうな顔を隠した素っ気ないような何気ないような七瀬碧がいて
やっぱりくるしくなった
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