大好きな君
「いまは昼休みで給食の時間」
「ほう」
「さくらが好きな野菜ジュースとチョコチップメロンぱん」
「ありがとう」
好きなものを熟知してくれてる湊が差し出したものを受け取る
“なんで私はここにいるの?湊、授業は?”
そう聞いたとたん湊の顔がおもいっきり歪んで苦笑いしながら説明してくれてる
「さくらは朝、教室を出てったでしょ?」
「うん」
「そのあといつものようにさくらは悪口を言われた」
「はぁ」
「そして私がキレそうになった」
「やめてこわい」
「そんな所に七瀬が来た」
「おぉ」
「んで七瀬がキレ気味に女子に問いただした」
「こっちもこわいわ」
「さくらがトイレにいることを知って」
「トイレにきましたよ、えぇ」
「七瀬がしばらくして私を呼びに来て」
「へぇ」
「さくらが調子が悪かったことと、保健室にいることを教えてくれた」
「あ、ここ保健室?」
「あほだね、それ以外にないでしょ」
なんかいろんなことがあったんだな、とか
他人事みたいに思ってる自分に冷ややかな眼差しを向けたいけど
湊が怒ってくれた、じゃなくて
怒りそうになったって聞いて嬉しくなった
「なに赤らめてんのよ」
冷ややかな眼差しを向けられたけど
なんだかんだで湊は優しい