大好きな君


「ねえ、湊?」

突然、というか今まで聞きたかったけど聞かなかったことが浮かんだ

「なんで、私と一緒にいるの?」

ずっと思ってた

可愛くって優しくって頭も良くって運動神経も良い湊が
何一つ取り柄のない私と一緒にいてくれるのは

どうしてだろう

って

“普通の”子たちは私を避けて貶してきた

悪口陰口も多かれ少なかれ言われてきた


なのに湊は離れなかったしそういう類いのことを言わなかった

・・・・・・言ってるのを見たことはない


すごく気になってる唯一のこと



「何言ってんのさ」


湊が苦笑いをしながら優しく言う

「あんたは私の友達だし、私はあんたの友達でしょ」


当たり前のように言うけど私はそうは思わない

誰だって思ってない、

と思う



「・・・・・・そうだけど」

「これだけは言える」

湊は自信満々に笑ってそう私に話しかける


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