その一枚が二人を出会わせ、永久に愛を誓う
冷静な彼女と勝手な自分
「少しの間、涼子と距離を置きたいんだ」


その言葉を伝える口は、まるで何かに引っ張られているかのように重かった。

それでも僕はその言葉を言い切り、彼女を見た。

彼女は冷静さを保ったまま、しばらく黙りこんでいる。


「俺、自分を試しているんだ。

有名なカメラマンに写真を送って、率直な感想を貰えるように頼んでいる。

それで、俺に素質があるかどうかはっきりと言って貰おうと思う」


両手の拳に力を入れ、歯を食いしばる。

こうでもしなければ、この沈黙と彼女の表情を見ていると涙が零れてきそうだった。

勝手で、酷いことを言っているのはこちらなのに、それなのにこちらが涙を流しては失礼だと思い、必死に堪えている。
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