その一枚が二人を出会わせ、永久に愛を誓う
「どうして、そのなかで私は駄目なの」


風でなびくあまりにも美しい髪を右手で撫でながら、真っ直ぐとこちらに視線を向け彼女は口を開いた。

僕もその視線から逸らさずに、真っ直ぐと彼女を見つめた。


「涼子が悪いんじゃない、俺が悪いんだ。

俺が自分勝手なんだ」


「・・・」


「そのカメラマンから少しでも素質があると言われたら、俺は本気でカメラマンを目指そうと思う。

そしたら、君に相応しい男になれる気がする、君を幸せにするって口にできると思うんだ」


その言葉を聞いても彼女の表情は変わらない。



分かっている。



彼女の考えていることは分かっているつもりだ。



「素質がない」と言われたら、どうなるか・・・
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