その一枚が二人を出会わせ、永久に愛を誓う
「和中君」


「あっ、部長」


「あぁ、部長じゃないわよ。

今、涼子が行方不明なの。

もしかしたら、そっちに行ってないかと思って」


涼子が行方不明


公演まで残り二時間も切っているから、普段なら会場で集中している時間。

それなのに会場にすらいないというのか。


カタン


そのとき、玄関の郵便受けから音がした。

玄関の下を見ると、見覚えのある便箋がビニールに包まれて落ちていた。



あのときの記憶が甦る。



4年前のあのときの便箋だ。


「ごめん、また後で掛け直す」


電話を切り、慌てて玄関に向かい、便箋を開いた。
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