金魚すくい
すると、
「よっしゃー! 取れたぞ!!」
雄馬は誇らしげに、ボールの中で泳ぐ金魚を見せびらかした。
「俺だって!」
次は優。
しかし2人ともその1匹の小金を取っただけで、もう網には大きな穴が開いてしまっていた。
だけどとても誇らしげな表情だ。
「バカか! 俺の方が早かったから俺の勝ちだ!」
「いいや、俺の方が金魚が大きい。だから俺の勝ちだ!」
「かわんねーじゃねぇかよ!」
「よく見ろ! どう考えても俺の方が少し大きいだろ」
2人は私の両サイドでいがみ合う。
「うるせーガキ共だな。ほらよっ嬢ちゃん。コイツはあんたが持って帰るんだろ?」
そう言っておっちゃんは、ビニールに入った小さな金魚を1匹私にくれた。