金魚すくい
拳を構える2人に、私は慌てて間に入る。
「もー! やめてよねー!!」
私越しに睨み合う2人。
だけど本当は知っている。
2人は本気で喧嘩をする気は無いって事を。
ただ単に、この一連の流れを楽しんでるだけだって事。
だから私もそれに乗って止めに入ってるだけだって事、2人も分かってるんだ。
毎日がそんな調子で。
毎日が愉快で。
3人一緒にいない時なんて無かった。
あの時の私達はまだまだ全然子供で。
大人なんて遠い未来で。
だから見える世界は今、この瞬間だけだった。
それが全てだと思ってた。
3人のこの瞬間が一生続くんだと、きっと誰もが思ってた。