金魚すくい
だが、同時にーー。
「柚子……この手、どうしたの?」
疑念の色が悲しみの色を塗り替え、どんどん広がりを見せる。
ーーその理由は私の手のひらを見た瞬間だった。
私の手首を掴み、手のひらの焼け跡から私へ視線は移される。
数日経った今もそれは鮮明に残っていた。
「家で料理した時にちょっとね……」
慌てて優の手を振り払おうとするが、さらに力強く握り締められて、逃れられない。
代わりに私は顔を逸らし、逃げた。
優の責めるような瞳から。