金魚すくい
「だからって……そんな……」
「それにっ」
優の言葉を遮った。
それだけじゃないから。
隠してた理由はそれだけじゃないから。
こんな風に自分が虐げられているって、恥ずかしくて誰にも知られたくなかったから。
私達の前からいなくなった優が再び帰ってきた時、私も2人と対等な立場でいたかった。
2人ならきっと、何があっても私を蔑んで見たりなんかしない。
それは分かってる。
でも……それでも……。
「私は……恥ずかしくて……こっ、こんな自分がっ……」
言葉か詰まった。
感情が喉を詰まらせる。
たとえ理不尽に感じても血のつながらない父親だとしても、この虐げられている現状が、自分という存在を認めてもらえない現状が
ーー何よりたまらなく恥ずかしかったんだ。