金魚すくい
「優……もう、どこにも行かないで……」
ずっと、私は優を求めていたのかもしれない。
いつも優しく見守っていてくれた優。
そんな優が知らない土地で辛く、苦しんでいたと知った時、私の心も悲鳴をあげた。
同じように今、優の心は悲鳴をあげてくれている。
だって、そうでしょ……?
優の体は震えてるーー。
「どこにも行かないよ……」
そう言って私を抱きしめ続ける。
ーーああ……。
なんて、幸せだろうかーー。