金魚すくい
連絡……?
言われてハッとした。
辺りに目を向けると、私のすぐそばで画面が粉々に砕けたスマホがあった。
倒れた時にポケットから飛び出したのだろう。
それが殴られている時、私の指が触れた。
偶然にもその時、優の番号を押したというのだろうかーー。
「バイトは休みをもらって柚子の家の近くをウロウロしていたんだ。だって柚子、どう考えても様子がおかしかったから。
それも今日だけじゃなく、俺がこっちに戻ってきてからずっと……その原因は俺にはわからなかったけど……。
でも、帰り道にあの人に会った時、なんとなく嫌な予感がしたんだ……」
そう言って優はお義父さんを見やる。
とても冷たく、殺意さえも感じる眼差しで。
「ほとんど勘だったんだけどね。
柚子が何を隠しているのか分からなかったけど、昔俺がいた頃にはなくて、今あるもの……それがあの人の存在くらいにしか結びつかなくてさ。
でも柚子が頭に瘤を作ったのも家でだし、公園で見かけた時も家に帰りたくなさそうだったし、今朝道でうずくまっていたのも家を出てからそんなに経ってないだろ?」