金魚すくい
リーズナブル……。
そうは言っても、まだ高校生の私には敷居が高いけど。
そんな風に思いながら、注文したペペロンチーノを一口すする。
ーーああ……おいしいなぁ。
気がつけば私は、頬を抑えながら終始笑顔だった。
「ねぇ、叶さんは彼氏とかいないの?」
突然の言葉に、思わずパスタを吹いた。
「げほっ、げほっ!」
「大丈夫!? すみません、お水いただけますか?」
勉さんは近くにた店員を呼び止め、私の空いたグラスを指差した。
「だっ、大丈夫です……」
必死に言葉を絞り出すが、まだパスタが喉を詰まらせて息が苦しい。
「はい、お水」
店員が持ってきた水を受け取り、私はそれを一気に飲み干した。
「すっ、すみません……助かりました」
「こっちこそごめん。急に変な質問しちゃったから」
「あっ、いえ、大丈夫です」
そう言って私は口元をおしぼりで軽く拭った。