金魚すくい
「そういう勉さんこそ、彼女さんは……?」
少しばかり遠慮がちに聞いてみた。
チラリと見やる私に対し、あっけらかんとした表情で見返す勉さん。
「俺? いると思う?」
「はい」
絶対いるでしょう。
バイト先でもあんなにモテるくらいだし。
……そう思うと、今の質問は愚問だったのでは……?
なんて考えが浮かんできたが、勉さんは楽しそうに笑った。
「ははっ、即答だね」
「そりゃ勉さんはモテますから」
この言葉には疑問を持ったのか、
「そうなの?」
今度は首を傾げて、疑問系で返された。
そうなのって……。
「そうですよ。みんな言ってますから」
サラリと言い返し、私は再びパスタをすすった。
「ふーんみんなね……。じゃあ叶さんも?」
「ぶっ!」
その返しに、私は再びパスタを吹いた。