金魚すくい
「ここでいいの?」
「はい、もう家のそばなので。送ってくださってありがとうございました。ごはんもすごく美味しかったです」
フルフェイスのヘルメットを返しながら私は小さくお辞儀をした。
「全然、こっちこそ急に誘ってごめんね?」
「そんなっ、ごちそうになってしまって……」
ヘルメットを受け取り、シールドを開けた。
すると朗らかに微笑んでいる勉さん。
笑顔まで大人だな……なんて馬鹿みたいな事を思っていたら、
「あのさ、また誘ってもいいかな」
私の表情を読もうとしてか、顔を覗き込みながらそう言った。