私、恋愛初心者なんですが。
「あ、あぁ。
……一目惚れだったんだ。」
「……へ?」
「……初めて会った時に水沢さんに惹かれた。
でも俺も自分が一目惚れなんかする質じゃないからって思ってたんだけど……
なんか、頑張ってる水沢さん見てると
やっぱり好きだな……ってわかっちゃって
……俺と付き合ってくれませんか?」
璃子は突然の告白に目を見開き俯いた
まさか、だったのだ
榊さんは仕事の付き合いしかなかったし
当たり障りのない会話しかしてこなかった
どうしよう……と考えていると
先程の資料の“スペードホテル”の文字が
頭を過った
「…………もうっ、何なのよっ!」