私、恋愛初心者なんですが。




「……将太?」

と、俺が声を掛けると
真剣な面持ちで振り返った


「南朋、いいのか?……水沢の事」


「……」


「お前、水沢がもし結婚とかしちまって
ちゃんと諦められんのか?」


「……誰も諦めるとは言ってねえよ。」


「え…」


「俺はあの時、
璃子を傷付けて泣かせて……別れたんだ。
これからは日本で仕事するし
次会うときは今の俺のままじゃ駄目なんだよ」


「……はぁ…ったく、わかったよ。

じゃあ、これは俺からの帰国祝い?的な?
……その時が来たら使えよ。じゃなっ!」


コートのポケットから出した紙を俺に握らせ
将太は帰っていった


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