私、恋愛初心者なんですが。


廊下へ出てトイレの横にあった
ベンチに腰かける

はぁーっ……何なのよ、あいつ……
と溜め息を吐き膝に額を付ける

何で来てしまったんだ、自分……
と後悔の嵐が襲ってきていると


「あれ……?水沢?」

と頭上から声が聞こえる
顔を上げてみるとそこにいたのは私服姿のノムだった


「…え?何で?」

璃子が座ったまま聞くと
野村は“なんか…いつもより……”と言いかけハッとして何故か赤くなった顔で話を続ける


聞いてみれば今日は弓道部の大会の打ち上げに来ているらしい


ぐるぐるぐるぐる弓道部、弓道部……


「え?!じゃあ三浦南朋もいるの?!」

と少し大きめの声で聞くと


一瞬だけノムはびっくりしていたが
鼻で息を吐き、少し悲しげに眉を下げ
あぁ、と頷いた





< 44 / 337 >

この作品をシェア

pagetop