私、恋愛初心者なんですが。


「なんでわかるの?!エスパー神田?!」

何言ってんのよ、
と机に身を乗り出している私の額にデコピンを喰らわせる


「璃子はさぁ、彼氏作らないの?
それが問題なんじゃないのー?」

と椅子に横座りして足をパタパタしている恭子に対し、無言の睨みを剥ける

そんな私に恭子は目を細めこちらを見つめる


強いていえば~

「こう、男の匂いが感じられないから
フェロモンがないのよ」

と、しれっとした顔で言った


フェ……?!フェロモンだって?!

驚く私に恭子は続ける


「だってさぁ、顔は淳平くんと似て可愛いのよ?
でも17年間彼氏なし、むしろ今も現在進行で欲しいとも思っていない!
しかもこないだ“私は結婚さえ出来れば良いや~”なんて言い出したでしょ?!」

と、今度は恭子が机に身を乗り出し
一気に捲し立てられた


「……はい」

あまりの恭子の熱弁に
胸の前で椅子を後ろに下げ両手を挙げ答える


だからね……!
と、子が続けようとした時に

「は~い、席着いて~」
今年で退職を迎えるじいちゃん先生の
岡田先生が入ってきて

恭子は何か言いたそうな顔をしながら
前に椅子を向けHRが始まった


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