キミ想い


玄関で私がかぶっていた雪を払ってくれる蓮。


「先に俺の部屋に行ってろ。何かあったかいの持ってく」

「うん、ありが……はっくしょん!」

「……なんならベッドにもぐって温まってろ」

「だ、大丈夫」

「暖房もつけとけ」

「うん」


私は鼻をすすりながら二階にある蓮の部屋に向かった。

蓮の部屋は前に来た時と変わってない……気がした。

一度だけしか来てないから記憶が微妙だけど、モノトーンでまとめられた綺麗な部屋だからわかりやすいし。


私は鞄を床に置くと、蓮に言われた通り暖房のスイッチを押した。

エアコンから温かい風が吹いて、私はその風を直に浴びて温まる。

そうしていると、湯気の立つ甘い香りのココアを持った蓮が部屋に入って来た。


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