キミ想い


「ほら、飲んで温まれ」

「わぁっ、美味しそう! ありがと」


ありがたく頂戴すると、火傷しないように一口飲み込んだ。

身体の中から温まっていくのを感じる。

温かさにホッとしながらソファに腰を下ろすと、蓮が少し感覚をあけて隣りに座った。

以前はなかった微妙な距離に、私の胸が痛いよと泣いて。

その痛さに用事を無かった事にして帰ってしまおうかと思った矢先、まるでそれを見越したかのように蓮が言った。


「……で、どうした」

「うん……」


私は意を決して鞄からラッピングされたチョコを取り出す。

そしてそれを蓮に差し出した。


「これを、渡したくて」

「……何だ?」


理解出来ないって顔で訝しげに箱を手にした蓮。


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