キミ想い
というか……どうして今日は公園なのか。
寒がりな蓮は、いつも家で過ごすことを望むのに。
何か、特別な話でもあるとか?
そこまで考えて、ふと思い出す。
「そう、だ……」
あの公園は、右京にかりんとのことを報告され、振られた場所。
もしかして、私はまたあの場所で……?
想像して、さっきまではなかった不安が波のように押し寄せる。
違う、そんなはずはない。
否定し、ネガティブな思考を振り払うように、私は公園へと足を踏み入れる。
蓮の姿を探し、視線を巡らすと。
「なずな」
ジャングルジムのてっぺんに座り、私に知らせるように手を挙げる蓮を見つけた。
その顔に不吉な色はない。
杞憂だったのだと、私は小さく安堵の息を吐いた……その時。