キミ想い
「片桐も髪切ったか?」
「……え、わかるの?」
間が空いてしまったのは単純に驚いたから。
確かに私は昨日美容室に行き髪を切った。
切ったというか、そろえたのだ。
少し重くなってきた気がしたから、僅かにそろえて整えてもらっただけ。
それは、今日接してきたかりんや右京でさえも気付かない程度だと思っていたのに……
「雰囲気、変わった気がしたからな」
それだけ言うと、佐伯はスマートフォンを手にして席でくつろぎ始める。
そんな彼を横目で見ながら、”さすが”と心の中で呟いた。