キミ想い
「はよーっス、佐伯」
背後から明るい声が蓮を呼んだ。
蓮と同時に私も振り向くと、そこには知ってる顔。
「よお、ハル」
蓮の仲良しさんであるバスケ部の桃原陽輝だ。
身長175cmの蓮より少し小さい彼は、童顔気味で男の子だけど可愛い印象が強い。
制服をうまく着崩した着こなしにおしゃれな髪型。
長めで重さのある前髪と、右サイドを編み込んだアシメスタイル。
トップは軽く立ち上がっていて、色も明るい。
蓮とは違うタイプだけど、彼もモテるんだろうなぁ。
そういえば、彼を近距離で見るのは、私が右京の事で泣いていたあの日以来だ。
まあ……桃原はもう覚えてもいないだろうけど。
「お前何組だった?」
「F。ハルは?」
「オレはC」
……え。
Cですと?