キミ想い
蓮と私が同じタイミングで視線を交わす。
そして、蓮が私を指差して桃原に言った。
「なずなもC」
すると桃原は、大きな猫目を瞬かせ笑顔を浮かべた。
「マジ? よろー」
「よ、よろー」
握手を求められて応じれば、桃原が何かに気付いたように手を放す。
「わりぃ。佐伯と付き合ってんだっけ?」
「別に握手くらいで騒がないから安心しろ」
ああ、なるほど。
気を使ってくれたんだ。
あの時も思ったけど桃原って結構気の利くいい人?
勝手に私の中で桃原予測をしていると、蓮が今度は別の友人に話しかけられる。
どうやら蓮と同じF組の男子らしく、一緒に移動しようと誘われていた。