キミ想い
STORY14 【過ぎた恋の傷跡】
新しいクラスは悪くないクラスだというのが一番初めの印象。
そして、二週間も経つ頃にはこのクラスで良かったかもと思うようになっていた。
……昨日までは。
「ということで、体育委員は桃原君と片桐さんで決定しました」
つい先ほど決まったばかりの学級委員がハッキリとした口調で告げる。
私は少し離れた席にいる桃原をギロリと睨んでやった。
委員会なんて面倒だからやりたくないのが本音。
内申に響くとかもあるけど、私は大学に行く予定がなく、希望している職種もさして成績は問題ないから面倒な事だからとスルーつもりでいた。
なのに、委員長の「推薦はありますかー」という声に私の名前が挙がった。
犯人は桃原だ。
その桃原はというと、友達のおふざけでまんまと体育委員に推薦されていて。
私はその道連れとなったのだった。