キミ想い


「青木君は私の親友の元彼なんだ」

「ああ、やっぱりなずなさんだった。初めまして」

「初めまして」


挨拶し合う私たち。

理解出来てないのか、桃原は眉を八の字にして私たちを見ている。


「なんか良くわかんないけど、俺はそろそろ行くわ」

「ああ、それじゃあまたいつか」


爽やかに手を振って桃原を見送る青木君。

彼が醸し出す雰囲気に、どことなく右京と似たものを感じた。

だからかりんは右京を好きになったのかもしれない。

かりんにとって右京は元々好みのタイプだったんだろう。


「なずなさん?」

「えっ?」


しまった。

私ってば青木君を見つめたままボーっとしてた!


「ごめんなさいっ」

「具合が悪いとかではないよね?」


わ……優しい。

これはモテるだろうなぁ。


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