キミ想い
青木君はアイスティー、私はカフェオレを頼んで向かい合って座る。
すると、青木君が思い出したように私を見た。
「先に言っておくけど、敬語は使わなくていいよ。同じ歳だろ?」
「あ……そっか。何となく使ってた。じゃあ普通にするね」
「ああ。それで、かりんちゃんから何か聞いてたの?」
「かりんは、青木君が浮気してるんじゃないかって不安になってた。実際は?」
「してないよ。僕はそこまで不誠実じゃないつもりだし」
まあ、口では何とでも言える。
でも……なぜだか青木君は嘘をついてるとは思わなかった。
話し方なのか、雰囲気のせいなのかはわからないけど。
「そうか。そんな風に思ってたのか。僕にはそんな疑問もぶつけてくれなかったな」
「え……?」
かりん……青木君に問い質したりしたなかったんだ。
青木君は少し寂しそうに瞳を伏せる。
口元には三日月のように綺麗な笑みを浮かべていて、まるで絵画のよう。
「だから、僕とは恋愛の仕方が合わなかったんだ」