キミ想い
かりんが喜ぶ姿は私にも喜ばしいもので、素直におめでとうと思うのに。
これで右京が諦めてくれる展開になれば安心だ、なんて考えてる私がいる。
黒い気持ち。
自分が嫌になる。
かりんは親友だ。
綺麗な気持ちで心から応援してたいのに……
階段を降りながら私は呟く。
「ごめんね、かりん」
私が右京を好きになっていなければ、今頃はもっと飛び跳ねてかりんを応援してたはずなのにね。
お茶を持って戻った私は、そんな黒い気持ちをうっとうしく思いながら、かりんの幸せそうな笑顔にほんの少し偽りを込めた笑顔を返していた──‥