キミ想い
「辛かったりしない?」
「ないなー。まあ、もうなんとなくダメな空気だしな、お互い」
「そうなんだ……」
ダメな空気か……
少し前、私と右京の間にも流れていた空気に似てるのかな。
右京とは付き合ってたわけじゃないけど……
そんな事をボーっと考えてた時だった。
「片桐、あれ」
桃原の真剣な声が聞こえて、私はついにその時が訪れたのを悟る。
チャイムが鳴ったのと同時に、一人の女子生徒が私の下駄箱に……
白い何かを入れた。
「ビンゴ!」
桃原が声を上げると、彼は駆け出して。
「確保~!」
女子生徒の腕を強い力で掴んで捕えた。