キミ想い
「やめてくれるかな……」
「うまく行けばな。どうせ佐伯に未練があってやってんだろー。だったら嫌われたくなくてやめるんじゃね?」
「そうだと、いいな」
ざわつくような落ち着かない感覚を覚え、私は胸の前に拳を作って強く握った。
相手はわかったけど不安は消えないまま。
何かまた起きるんじゃないか……なんて、悪い方へと考えてしまっている。
そんな私を見た桃原は、何かあったらすぐに言えよと微笑んで、安心させるように私の背中を優しく叩いてくれた──‥