キミ想い


「っ…んぅー!?」


私は、自分の制服を乱されているのを悟った。


「どうこれ。それっぽくない?」


誰かの声がそう言うと、野宮さんがケラケラと笑った。


「いいねー。全部脱がすよりはリアルだわ」


こうする事を楽しんでる声。

私は恐怖の中に生まれたもう一つの感情を彼女にぶつけたかった。


「んーっ! んーっ!」


終わらせてくれるって信じてたのに!

ウソつき!!


だけど言葉にする事は叶わなくて、悔しさという感情までも膨らませていく。


「さて、そろそろ撤収しますか」

「ノミヤ~ン。カラオケ行かない?」

「あー、いいよ。でもあたしはまだやる事あるから先行ってて」

「ああ、そうか。オッケー」


まるで私なんていないような会話。

それは足音のあとに聞こえたドアの閉まる音と共に聞こえなくなった。


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