キミ想い


「良く撮れてるわよ? 桃原と片桐の情事! って感じに」


もしかして最初からこれが目的……だった?

桃原もそれに気付いたのか、唇を噛んで。


「あいつが俺のとこに知らせに来たのも計画通りかよ」

「正解! 桃原って意外と物わかりがいいんだね」


楽しそうに笑う野宮さんに、私はやっときけるようになった口を動かした。


「っ! 何でこんな事するの!?」

「蓮と別れて欲しいからよ」

「終わらせてくれるって言ったのは……嘘だったわけっ?」

「終わらせるってのはアンタと蓮の事。アンタが勝手に勘違いしたんでしょ」


言って、彼女は心底愉快だと言わんばかりに大笑いする。


「で? 別れてくれるよね?」

「そんなん必要ねー。佐伯に正直に話せば──」

「これ、ばら撒いてもいいんだよ? そしたら桃原は今の彼女にバレてその上大会出場もなくなるだろうね」

「っ……んの……」

「大人ってこーゆーの真にウケるし、校内だから停学とか退学になるかも?」


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