キミ想い
全身の血が一気に冷えた感覚。
何もかもが終わってしまったような絶望感。
桃原まで巻き込んでしまって……
最悪過ぎる展開に、私は涙さえも止まっていた。
「どうすんの」
蓮と、別れる?
……嫌だよ。
出来るわけない。
こんなに愛しいと思えた人は今までいなかった。
この先も、蓮以上に愛せる人はいないとさえ思うのに……
彼との幸せな時間を、こんな形で終わらせなきゃならないなんてっ……
ずっとずっと続くと思ってたのに!
蓮が私に向ける慈しむような微笑みを思い出して、止まっていた涙がウソのように零れ始める。
「片桐……」
桃原が私を心配そうに見つめてから、私の手脚を縛っていたロープを解いてくれる。