キミ想い


これで蓮にバレたら、きっと野宮さんが動いてしまう。

その被害が私だけならいい。

だけど、桃原や……蓮に何かあったら?

それだけじゃない。

大切な友人にだって何かあるかもしれない。


そう考えたら怖くて、私は努めて冷静な様子で蓮に言った。


「そんなのないよ」


口元に笑みを浮かべて見せたけど、うまく笑えてる自信はない。


「話はそれだけ? 私、教室に戻り──」


戻りたいと唇を動かしている途中で、それは停止させられた。

私の唇を止めたのは……


蓮の唇。



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