キミ想い
蓮はまるで噛みつくように私に唇を重ねて。
抵抗しようと頭では思っているのに、大好きな蓮のキスが、想いが、たまらなく嬉しくて……
私の抵抗は力のない形だけのものとなっていた。
蓮の唇が離れると、きつく抱き締められる。
「なずな、話せ」
彼の威圧的な声にも私は首を横に振った。
「……っ……なんでだ」
吐き捨てた声は苦しそうで。
こんな風に感情をむき出しにした彼を見るのは、初めてで。
思わず、抱き締め返したくなる。
話してしまいたい。
謝って、私の想いは何も変わってないと伝えたい。
けれど……できない。
しては、いけない。
だから、私はただ無言でいた。