キミ想い


「彼女とは別れたんだ。てことで、お前が気にする事ねーの」

「い、いつ……」

「一昨日。すんなり別れてくれたぜ。好きな男できたから丁度良かったってさ」

「そう……なんだ」


驚いた。

まさかすでに別れてたなんて。


それにしても好きな男ができたから丁度いいって……ひどい気もする。

確かに恋愛は自由だけど、私は桃原の友達だからやっぱりひどいと感じてしまうというか。


「ちゅーわけで、余計なことは気にせずジャンジャン歌おうぜ」


マイクを私に突き出しながらニッと笑う桃原。

私はそれを受け取ると「ありがとう」と色んな感謝の気持ちをのせて言葉にした。

それが伝わったのかどうかはわからない。

けれど桃原もまた微笑んでくれて。


私たちはカラオケを楽しんだ──‥


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