キミ想い
「……でも、視線はそらされたんだよね……」
「それ、佐伯の話?」
心の中で話したはずだっのに、桃原から問われて私の意識が一気に現実に戻された。
私と桃原は学校近くのファーストフード店にいる。
今日は休日なんだけど、桃原から連絡があって遊ぶことになった。
さっきまでボーリングしていて、現在休憩中。
私は自分が頼んだポテトを口に放り込んで桃原に苦笑いを向けた。
「ごめんね。気にしないで」
蓮のことはもうどうにもならない。
いい加減、少しでも考えることをやめないと。
助けてくれたのだって、きっと違う人だ。
「まぁ……いいけど」
何故か桃原はイライラした様子でストローを咥える。
そうしてズズズッと音を立てて飲み干すと、つまらなさそうに頬杖をついた。