キミ想い


「お前、イイな」

「はい?」

「それなりにイイ」


何がそれなりなのかも褒められてんだかけなされてんだかもわかんないわ。

とりあえず私は「そう?」とだけ答えて。

すると佐伯は「あ、」と何か思い出したように言って言葉を続ける。


「今ヒマか?」

「悲しいかなヒマですが」

「じゃ、ちょっとソコのモスにでもどうだ? まだ時間があってどうしようかと思ってたんだ」


言いながら佐伯は親指でくいくいとモスバーガーを指差した。

断る理由もない私はもちろん頷いて。


本日、まさか佐伯と2人で茶をすするとは想像もしてなかったけど、私たちはモスバーガーの店内で向かい合って座りながら各々の頼んだドリンクに口をつける。


そして繰り広げられるのは他愛もない会話。

隣りの席にいるからだろうか、空気はいつもと変わらない気がした。

ただ、違うのはお互いが私服なだけ。


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