キミ想い
「わ、私……好かれるような事、したっけ?」
「……気づいたら、そうなってた」
いまだ桃原は突っ伏したままの状態で話を続ける。
「で、俺はどうしたらいい?」
「え?」
「片桐の返事」
「あ……えっと……」
正直に言えば桃原の気持ちは嬉しい。
だけど私の心はまだ蓮を強く想ったままだ。
だから答えは……
「私はまだ蓮のことが──」
「んなのわかってる。だから、考えてくれんだったら待つし、可能性ゼロなら諦める」
ゆっくりと桃原が起き上がって。
その顔には真剣さがあった。
「可能性ゼロ?」
「そんなのわかんないよ」
「じゃあゼロじゃねぇって事じゃん」
「……確かに、そうなるのかもだけど、好きなれる確証はないし……」
戸惑いながら告げると、桃原は考えるように腕を組んでから言った。