キミ想い
桃原の顔がまともに見れない。
そんな私の様子に気付いたのか、桃原の態度にどこか余裕が生まれたように見える。
そしてそれは気のせいなんかじゃなかったようで……
「つーか、こっち座れば?」
……攻勢に出られてしまった。
彼がこっちと言って示したのは自分の隣り。
さすがにこれには動揺を隠せなくて。
「と、隣り?」
「付き合ってんだし、この距離微妙じゃね?」
言った桃原の顔が……
ほんのり赤い。
積極的に提案するくせに照れるとか。
本人に言ったら絶対怒られると思うから言わないけど、桃原ってば可愛い。
恥ずかしさは全く消えてないけど、桃原がちょっと小動物みたいで可愛いから……座ろうかな、なんて思えて。
私は自分も照れながらも桃原の隣りに座った。