キミ想い
そんなある日の事だった。
久し振りにかりんと買い物に出かけた私は、彼女がくれた情報に食事していた手を止めた。
「……え?」
「だから、佐伯君に彼女が出来たみたいって」
蓮に、彼女が……
チリチリと痛む胸。
嫉妬にも似た感情に私は戸惑いつつも笑みを作った。
「そうなんだ、とっくにいるのかと思ってたからビックリ」
「私もそう思ってたから意外だったよー。けどさ、それだけなずなの事好きだったって事かもね」
いたずらっ子のようにフフフと笑ったかりんに私は苦笑いを返す事しかできなくて。
どうやらそれくらい私は、ショックを受けているようだった。
蓮の心はもう自分にはなくなってしまったという事実が原因なのかもしれない。