キミ想い
「よっし! 全部終わった!」
「お疲れさん。助かった。じゃ、職員室行って、それから部の方だな」
「リョーカイ」
蓮がプリントを持って立ち上がる。
私も自分の鞄を持って立ち上がると、二人で廊下に出た。
職員室にいる担任にプリントを渡して、今度は二人でアリーナへと足を向ける。
昇降口で靴に履き替えて、二人で外に出たところで蓮が静かな声で言った。
さっきまで、お互いにあえて話題にしなかった……それを。
「ハルが一緒に抱えてくれてるのか?」
「……うん」
蓮の声は、どこか寂しそうにも聞こえた。
「悪かったな」
謝罪が意味するものは、自分が絡んでいる事を確信しているからだろう。