キミ想い


「そんじゃ、また明日な」


駅の構内。

改札を挟んでハルが私に手を振る。

私は少しの笑みと共に手を振り返して、ホームへと向かう彼を見送った。

ハルの後ろ姿が見えなくなると、改札に背を向け、家路を辿る為に人の行き交う駅を出る。

いつもは大通りを歩いて帰るけど、街を照らすオレンジ色の夕日に誘われるように少し遠回りになる河川敷沿いを歩く事にした。


川の水音BGMにすれ違う人は様々。

犬の散歩をする人、ジョギングをする人、私と同じであろう、家を目指しじゃれあうように走る少年たち。


その平穏な風景を見守るような夕日の眩しさに目を細めた時。


前方に、同じ高校の制服を身にまとった女生徒の姿を見つけた。

彼女の視線も、私をとらえて。


「……あ……」


私が声を零すとお互いに歩みが止まる。


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