キミ想い
「……ひとつ、聞いていいかな?」
夏目さんは、小さく頷いた。
「私の携帯番号、どうして知ってたの?」
「それは……かりんちゃんに佐伯君と片桐さんが付き合ってるのか聞いて確認して、その流れから電波が繋がらないって嘘ついて……携帯を貸してもらったの」
聞かされて、納得した私は彼女の代わりに声にする。
「アドレス帳を、確認したんだ?」
素直に頷く夏目さん。
私は、以前あった、かりんとの会話を思い出す。
『そういえばね、昨日他クラスの友達から、なずなと佐伯君が付き合ってるのかって聞かれたよ』
『えっ、ホント?』
『うん。だいぶ広まってきたね。2人のラブラブさが』
きっと、その他クラスの友達が、夏目さんだ。
「あの……私、そろそろ行くね」
遠慮がちな夏目さんの声が聞こえて、過去の記憶を脳内で再生していた私はハッと顔を上げる。