キミ想い


「佐伯……お疲れ様」


首にタオルをかけた蓮がこっちに向かって歩いてくる。


「練習は?」

「休憩だ。10分後にまたコート」

「そうなんだ」

「なずなは? まだ休憩じゃないのか」

「うん。これから昼食の準備なんだ」

「なるほどな。そのケースは?」

「わからないけど、かりんから運ぶように頼まれてて」


言いながら持ち上げてみると、意外と重くて「うぬぅっ」なんて声が漏れてしまった。

もちろんそれは蓮の耳にバッチリ届いていて。


「なんつーか、もっと可愛らしい声出せないのかお前は」

「うるっさい! てゆーか話しかけないでよ重いから!」


早いとこかりんの元に届けようと重さに耐えながら歩く私の隣を歩きついてくる蓮。


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