キミ想い
STORY33 【リアルな愛情】
夕食を終えて入浴を済ませて。
あとは寝るだけとなり、かりんと一緒に布団を敷く。
部屋着用のTシャツと短パン姿でふかふかの布団に倒れこむように寝転がると、かりんがクスクスと笑った。
「お疲れ様。初日から頼っちゃってごめんね」
「んーん。気にしないで。むしろ断ってたらかりんが過労死するとこだったろうし、助けられて良かったよ」
冗談めかして言うと、かりんはまた笑う。
と、その笑いが急に何かを思い出したようなものに変わって。
「ねえ、もしかしてハル君と喧嘩した?」
「……え?」
ドキンと心臓が一つ強く打って、私はバタバタさせていた足の動きを止めた。
「なんか、ハル君の機嫌が悪かったから何かあったのかと思ったんだけど……違った?」
「あー…うん。佐伯と話してたら、ちょっとね」
詳しく話せるわけもなく、かいつまんでそう伝えるとかりんは呆れたように肩をすくめた。
「ヤキモチ妬いてプンプンしてたってこと?」
ヤキモチ……なのかな?
だとしても、それだけじゃないと思う。
けど、野宮さんの事は話せないから笑って誤魔化した。