キミ想い
まるで絵画のような綺麗な笑みに、キュッ…と、心臓が締め付けられる。
甘やかで切ない感覚に、自然と私の頬が緩んで。
「おはよ、右京(ウキョウ)。朝練頑張ってね」
手を振り返すと、優しげな目元が細められる。
「ありがとう。また学校で」
「いってらっしゃい」
そうして、バスケットシューズの入ったエナメルバッグを肩から下げた彼の背中を見送った。
雪平(ユキヒラ) 右京。
秋明(シュウメイ)高校、2年A組。
容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能。
男子バスケットボール部に所属していて、この秋から部長になった彼の背番号は4番。
中学の三年間、同じクラスという小さな奇跡を起こした私と右京の関係は……
仲のいいトモダチ。