キミ想い
そ、か……
ハルは気づいてたんだ……
そうだよね、それなら私の事信じられなくて当然だ。
「本当は、責めるつもりなんてなかった。なずなが俺をちゃんと見てくれるならそれでいいって思ってたから。けど……」
ハルの表情が苦痛で歪んで。
「お前は結局、佐伯を見てる」
ホント私……最低だ。
ハルにこんな苦しそうな顔させて、最低にもほどがある。
「ごめ……」
違うと言ってあげれないなんて。
「ごめんなさい……」
謝って、涙まで流して。
ハルの想いを踏みにじって……
最低だ。
やがて、ハルの手が私の肩から力なく離れると。
「先……帰るわ……」
それだけ零して、背を向け去って行ってしまった──‥